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バルブを学ぶ

フートバルブとは ー その役割と種類、構造、仕組み

水などの流体をポンプで吸い上げる設備の多くで利用されているフートバルブ。ここでは、フートバルブとは何か、どのような役割を持ち、どのような種類があるのか、またそれぞれの構造や仕組み、メリットとデメリットについてまとめます。

フートバルブとは

フートバルブ(フート弁)は、地下の貯水槽のように低い位置にある水源からポンプで水を吸い上げる設備などにおいて、配管の末端あるいは中間に設置される逆止弁の一種です。英語表記の「foot Valve」は、文字どおり配管の末端(foot)に位置する弁(valve)を意味します。

水源がポンプより低い位置にあると、ポンプの運転を停止した際に配管に空気が入り込み、配管内の水面が低下する「落水」と呼ばれる現象が起きることがあります。落水によりポンプと水面の間に空気層が発生すると、ポンプが空回りして水を吸い上げることができなくなるため、次に起動する際には、配管内を水で満たす「呼び水」の作業が必要になってしまいます。ポンプを停止/起動するたびに呼び水の作業を行っていたのでは手間がかかることから、その原因となる落水を防止する目的でフートバルブが考案されました。

フートバルブの役割は極めてシンプルで、ポンプが停止すると自動的に弁体を閉じ、配管を塞ぐことです。これによってポンプ停止中も配管内部を水で満たした状態に保ち、再起動した際にすぐ送水を開始できるようにします。

水を吸い上げる設備は、あらゆる産業分野で使われています。例えば、オフィスビル・商業施設のような大規模施設の空調や工場の生産ラインで用いられる冷却水の循環、排水や溜まった雨水の汲み出し、農業用水の揚水、また浄水場や、インフラ・文化財などを守る防火設備にも不可欠です。

水分の循環が生物の命を支えているのと同様に、水の循環はあらゆる施設・設備の機能維持に欠かせない要件です。そのシステムの要となるポンプは、動かしたい時に動くものでなければなりません。特に防火設備では、普段は停止しているポンプを火災発生時には即座に動かす必要があります。落水の発生を防ぎ、ポンプの機動力を高めるフートバルブは、水を利用する設備において極めて重要な役割を担っているのです。

フートバルブの種類、それぞれの構造と仕組み

フートバルブの種類は大きく2つに分けられます。
その名前が末端(foot)にある弁(valve)を意味することからもわかるように、従来は配管の末端に設置するタイプが主流でした。そのため、フートバルブというと末端設置型を指すのが一般的でしたが、近年は中間に設置されるタイプも増加していることから、それらと区別するため、末端設置型は「末端フートバルブ」や「水中フートバルブ」、「底フートバルブ」などと呼ばれることもあります。

一方、中間設置型は、水中ではなく地上部の配管途中に設置されることから、「地上設置式フートバルブ」、「地上設置型フートバルブ」、「地上型フートバルブ」、あるいは「中間フートバルブ」などと呼ばれます。
それぞれの構造と仕組みは次のとおりです。

(1)末端(水中)フートバルブ

  • 貯水槽などの水源から水を吸い上げる管の末端に設置され、常に水中に没している。
  • 筒状の本体の内側に弁体がある構造。
  • 弁体は、ヒンジ(蝶番)や、筒の中を上下にスライドする機構などにより、ポンプ稼働時は吸い上げられる水の圧力に押されて弁体が開き、ポンプが停止すると逆流しようとする水の圧力で自動的に弁体が閉まる仕組みとなっている。
  • 先端にゴミや異物の吸い込みを防ぐためのストレーナーを取り付けて使用する

末端フートバルブ

(2)地上設置型(地上設置式)フートバルブ

  • 水源からポンプまでをつなぐ配管の中間(地上部)に設置する。
  • 配管の角部分に組み込むアングル型と、直線部分に組み込むストレート型がある。
  • 筒状の本体の内部に弁体があるという点は末端フートバルブと共通しているが、設計・構造は大きく異なる。
  • 「スモレンスキ・フートバルブ」はスプリングを内蔵し、その反発力を利用して弁体を閉じる仕組みを採用。構造としてはリフト式のチャッキバルブと同じである。パッキンを組み合わせることで止水性を高めている。
  • 「スモレンスキ・グランドフートバルブSG」はスプリングを利用して弁体を閉じるリフト式であるが、本体と弁体の形状が従来の地上設置型とは大きく異なる。水が流れる際の抵抗が少なくポンプの消費電力を低減できるほか、ゴミや異物の噛み込みが起こりにくいという特徴がある。
  • *地上設置型フートバルブは、「地上型フートバルブ」、「地上型フート弁」、「アングルチャッキ弁」といった名称で呼ばれることがあります。業界で初めて地上への設置を可能にしたフートバルブ(フート弁)が、スモレンスキ グランドフートバルブです。

末端フートバルブと地上設置型フートバルブのメリット・デメリット

設置場所と構造の違いにより、大きく2種類に分けられるフートバルブ。それぞれのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

(1)末端フートバルブ

【メリット】

  • 銅合金鋳物(CAC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などの安価な材料が用いられ、構造も単純なことから、導入時のイニシャルコストを抑えられる。

【デメリット】

  • 常に水没しているため、目視による点検ができない。
  • 定期点検やトラブルなどの際には水中から引き上げる必要がある。地下の貯水槽のように天井が低い場所だと、引き上げの際に配管を分割しなければならない場合もあるなど、メンテナンスに時間・費用・労力がかかる。
  • メンテナンス作業が大掛かりになり、作業員の安全確保が難しいこともある。
  • 水中にあるため腐食しやすく、弁体が固着して落水の原因となることもある。予防には定期的な点検と清掃が欠かせない。
  • 落水を防ぐために必要のない時も常にポンプを稼働させているケースが多く、結果的にランニングコストがかかる。

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2)地上設置型フートバルブ

【メリット】

  • 地上にあるため引き上げ作業をしなくても本体にアクセスでき、メンテナンスが容易かつ低コストで行える。
  • メンテナンスの作業時間が短く、作業員の安全確保も容易にできる。
  • 配管から簡単に取り外して、あるいは取り外しせずに作業ができる構造のため、急なトラブルの際、メンテナンス会社を呼ばず社内で対応できる場合もある。
  • 真空計を取り付けられるタイプでは、配管内の状況を目視確認できる。
  • 「スモレンスキ・グランドフートバルブSG」は、スプリング&パッキンのダブル止水力により、一度吸い上げたら落水しない。ポンプを安心して停止することができ、無駄な稼働を抑えられるため、省エネルギー・省コスト化が図れる。

【デメリット】

  • ステンレス製の場合、末端フートバルブと比較するとイニシャルコストがかかる。ただし、ランニングコストは抑えられるためトータルでのコスト削減が可能である。

まとめ

フートバルブは従来、配管の末端にあり、水没しているものであることが当たり前でした。しかし、そのために腐食による落水、メンテナンスの難しさなどのさまざまな課題が生じていたのも事実です。株式会社イシザキは、そうした課題の克服をめざし、地上設置型フートバルブを開発いたしました。メンテナンスの時間・費用・労力の低減、電力使用量削減など、ポンプ設備の運用にかかわるコストをトータルで改善できる「スモレンスキ・グランドフートバルブSG」をぜひご検討ください。

※製品についての詳細は以下をご参照ください。

▼スモレンスキ・グランドフートバルブSG
https://ishizaki.biz/s_03.html

▼カタログダウンロード
https://ishizaki.biz/catalog/index.html